「油そば」と「まぜそば」ってどう違う?いまさら聞けないふたつの違い

 

今では誰もが聞いたことのある「油そば」と「まぜそば」。ラーメンとは違う日本独自の進化を遂げた麺料理が、この油そばとまぜそばです。お店によっては同じように使われていることも多く、油そばとまぜそばの違いを知っている方は意外と少ないようです。

今回は、油そばとまぜそばの違いについてくわしくご紹介します。

 

油そばとまぜそばは違うもの?

 

 

油そばとまぜそばは、その両方に専門店があるほど人気がある料理です。ラーメンとは違い、どちらの料理も汁がなく、お店で頼んでもすぐに出てくるお手軽中華麺料理。発祥の地はどちらも東京であり、ランチとしての人気も高く、東京のランチとして人気です。

元々は油そばのことを「まぜそば」とも言っていましたが、いつの間にかこの2つの麺料理は違うものとして認識されるようになりました。

油そばとは

 

油そばとは、スープのないラーメンの一種とされています。東京に古くからある伝統の麺文化のひとつです。どんぶりの底に入ったごま油などの油に、醤油ベースのタレが基本の油そばは、その上からさらにお酢やラー油などをかけて、絡めながら食べるのが主流です。

昭和28年ごろに国立市の一橋大学そばのお店を最初とする説と、昭和30年代に武蔵野市亜細亜大学そばのお店が最初とする説の2説が存在します。しかし、共通しているのはどちらも「大学」からの発祥ということと、武蔵野地区から広まったということです。

油そばはその安さと、麺のボリュームから学生に強く愛されてきました。亜細亜大学では、入学したら先輩から「通過儀礼」として油そばを食べに行っていたのだそうです。油そばは東京の大学生をはじめとする学生や、多くの社会人を虜にしてきた食べ物ともいえます。

まぜそばとは

 

まぜそばは元々、油そばを別の言い方で呼んでいたことから生まれた言葉でした。「まぜそば」が別に生まれた理由は愛知県が発祥とされています。愛知県民であればまぜそばといわれてパッと思いつくのが「台湾まぜそば」ではないでしょうか。

ここでのまぜそばは、台湾まぜそばをメインとして油そばとの違いを紹介していきます。この台湾まぜそばは、愛知県名古屋市で提供されているラーメンの一種です。「名古屋めし」のひとつでもあり、人気の一品です。

台湾まぜそばは、タカの爪とにんにくを効かせた台湾ミンチを極太麺に乗せた汁なし麺「油そば」の一種です。具材は主にこの台湾ミンチ、刻んだニラにネギ、魚粉、卵黄、おろしにんにくなど多種多様です。

これらをすべて食べる前にかき混ぜ、すべて混ぜ合わせて食べていきます。2008年に名古屋で発祥した台湾ラーメンは、ある麺屋から生まれました。もともとは台湾ラーメンを作ろうとしていたのですが、当時のスープと台湾ミンチが合わず、汁なしで台湾ミンチを乗せて食べたのがはじまりとされています。

現在では名古屋だけではなく、東海・近畿・関東圏でも食べられるようになりました。今ではさまざまな形を変えて、全国でも食べられているこのまぜそばが、油そばとは違う新たなジャンルのそばといえます。

 

油そばとまぜそばの違い①

 

油そばとまぜそばの大きな違いとして、トッピングする具材の量や種類が挙げられます。油そばは非常にシンプルで、麺の味を楽しむために作られました。メンマ・チャーシュー・ネギが代表的な具で、あとはお好みで海苔などを軽く乗せたり、卵などもともとの油そばの味を尊重したトッピングが主流となったりしています。

一方でまぜそばは、さまざまなトッピングや、味を変えて楽しまれている食べ物です。代表として挙げた台湾まぜそばも、台湾ミンチをはじめとする中華の味をベースとして作られています。本来の油そばにある醤油ベースのタレや、香り豊かにする油よりも、中華の味を麺と絡めて食べるということが主流となっています。

さらにまぜそばは、台湾まぜそばだけではありません。明太子やマヨネーズ、キムチ、チーズ、さらに醤油バターなど、さまざまなトッピングを加えることでより幅広い味の汁なし麺を楽しむことができます。

また、まぜそばのタレ自体もまったく違った味のものも誕生しています。台湾風だけではなくとんこつベースのものなど、まぜそばではさまざまな味を楽しむことができます。

 

油そばとまぜそばの違い②

 

元々同じ意味だった油そばとまぜそばですが、現在ではほんの少しだけ変わったところがあります。それが麺とタレの合わせ方です。油そばを食べる際は、どんぶりの底に入れてあるタレと油を自分で混ぜて食べます。

しかし、まぜそばのタレは既に麺に絡めてあり、味がついている状態です。この理由は、トッピングの量が多く、上手に麺とタレを混ぜ合わすことができないからだと考えられます。お店によってはまぜそばのタレがスープよりは少ないものの、麺がタレに浸っているものもあります。

油そばとまぜそばのタレの違いについては、もうひとつ油にあります。基本的に油そばに使用されている油は、サラサラでスルッと食べられる植物性のものが多く使用されています。一方でまぜそばは、ラードなどのこってりした動物性を使用することがあります。

 

油そばとまぜそばはどちらがおすすめ?

 

 

 

油そばとまぜそば、どちらも美味しく食べることができます。どちらもオススメですが、油そばもまぜそばも食べたことがないという方には、まずは油そばをオススメします。油そばはとてもシンプルなつくりになっており、麺やこだわりのタレ、特製油の3つによる絶妙なバランスの風味を楽しむことができます。

つまり、油そばはお店が提供している味自体をしっかり楽しむことができ、シンプルながら満足できる仕上がりになっています。油そばを堪能し、変わりダネを楽しみたくなったとき、まぜそばを食べてみることをオススメします。

まぜそばは油そばのシンプルな風味にこだわらず、お店独自のオリジナリティに富んだトッピングやタレを楽しむことができます。さまざまなトッピングに目移りして、たくさん食べたいと感じる方も多いでしょう。

油そばもまぜそばもどちらも魅力があり、美味しく食べて満足できる中華麺料理です。さっぱり食べたいときは油そば、こってりとした食べ応えのあるものを食べたいときはまぜそばなど、ぜひ一度どちらも食べてみることをオススメします。

 

まとめ

 

油そばとまぜそばには、昔は同じ意味として呼ばれていた言葉でした。しかし、時代を重ねるにつれて、シンプルでさっぱりお店の味を楽しむことができるものを「油そば」と呼ぶようになりました。

たくさんの種類や味を楽しめて、トッピングで自分の味を作ることができるものを「まぜそば」と呼び、現在では全国の方がその中華麺料理を楽しんでいます。

油そばやまぜそばは、どちらも違った特徴を持って新たな進化を遂げています。どちらも美味しく、満足できる料理ですが、まだ油そばを食べたことがないという方は、まずはシンプルながら美味しい油そばを食べてみてください。

油そば専門店ぶらぶらでは、50年以上の伝統ある中華麺と最高級鰹節をふんだんに使用したこだわりのタレ、数種類の油をブレンドした特製の油を使用した究極の黄金律を実現させた油そばを提供しています。

そのままでも十分美味しいですが、多様な味の変化を楽しめる手順もご用意しています、まずは一度ぶらぶらで油そばの魅力を感じてみてください。