飲食で独立を目指す方必見!独立の際に知っておきたい基礎知識

飲食で独立を目指す方必見!独立の際に知っておきたい基礎知識
飲食店を開くためには、実にさまざまな過程をクリアしていく必要があります。また、ただ開店すればなんとかなるというものではなく、きちんとした計画に基づいて開店準備を行わなければ、たちまちお店は傾いてしまうでしょう。そこで今回は、飲食店を独立するために必要な基礎知識やポイントについてご紹介していきます。

飲食店の開業の流れとは?

飲食業界で独立し、一からお店をはじめるにはさまざまな準備が必要になります。まずは、飲食店を開業するにあたっての大まかな流れからご説明させていただきます。

①資金の調達

開業には物件取得、内装設備、備品、お店が軌道に乗るための運転資金などの初期費用が必要になります。開業に必要な資金は業態、立地や物件、店舗の面積などによって変わりますが、おおまかな目安としてはカフェが1,500万円、ラーメン店1,000万円、居酒屋3,000万円前後と言われています。

②店舗にする物件の取得

条件に合った物件を選定し、取得します。厨房機器などが付いていない建物のみの物件は“スケルトン”といい、改装の自由度は上がりますが改装費用が高くつきます。費用をあまりかけたくないという場合は、以前飲食店に使われていた“居ぬき物件”を選択すると改装にかかる費用を抑えることができます。

③店舗物件の改装

改装する前にはお店のコンセプトや厨房やフロアの導線をしっかりと固めておくようにします。

④厨房機器や設備品の搬入

厨房機器、インテリア、レジスターや食器等の店内備品、消耗品などを揃えていきます。

⑤仕入先の決定、食材の選定

食材はお店の命ともいえます。安定した食材を安定した価格で仕入れられるお店が理想です。長くお付き合いできるお互いに信頼できる業者を選びましょう。

⑥従業員の教育

スタッフの採用、教育を行います。具体的なマニュアルを用意してくと人材教育がスムーズです。

➆開店準備

開店前には何度もシミュレーションとオペレーションを繰り返し、開店に向けて調整を重ねます。

⑧オープン

以上がおおまかな流れになりますが、あくまでもざっくりとした流れであり、実際には店舗付近の市場や競合店の調査やメニューの開発、開業する上での各種届出や資格、販促のためのチラシや広告作りなど準備することは山ほどあります。


お店のコンセプトを明確にするとすべてがスムーズに

飲食店を開業したい、独立して自分のお店を持ちたいと思い立ったときにまずすべきことは「お店のコンセプトを決める」ことです。コンセプトとは、お店の「テーマ」であり「どんなお店にするか?」という意味です。特に飲食店では

  • どんなところで?(場所:都会、田舎、駅前、海、ご当地など)
  • 何を?(業態:カフェ、ラーメン、居酒屋など)
  • 誰に?(ターゲット客層:女性、男性、親子など)
  • いつ?(営業時間・定休日:ランチ、カフェタイム、ディナーなど)
  • どんな利用方法?(休憩、デート、夕食、飲み会など)
  • どのように?(安い、早い、高品質)
  • いくらで?(価格帯)

を明確にしておくと、開店準備がスムーズになり、お店が開店してからも軌道をはずすことなく運営がしやすくなります。そればかりでなく、お店のコンセプトを明確にすることはお店の事業の成功にも大きな影響を及ぼします。

お店のコンセプトがお客様に与える影響

先程、コンセプトというのは「どのようなお店にするか?」という意味であると説明しましたが、それは運営側からみた意味です。お店のコンセプトをお客様側からみてみると、それは「どんな価値を提供してくれるお店なのか?」という意味になります。

コンセプトが明確になっていないと、ちぐはぐな印象になってしまい、お店の価値がお客様に伝わらず運営が破綻してしまうことになりかねません。どんなシーンで利用できるのか、何を食べることができるのか、価格帯は統一されているかなど「このお店に行けば、こういう価値を提供してくれる」と明確になれば、お客様が継続して使用しやすくなります。

運営もスムーズに

そしてコンセプトを明確にしておくと、お店の運営もスムーズに運びます。例えばお店の外装、店内内装、店名、メニュー名、食器のデザイン、店内POPなどはコンセプトやテーマに沿っていくと統一感が生まれますし、より分かりやすくお客様にお店の価値を伝えやすくなります。成功しているお店には必ずと言っていいほど、明確なコンセプトが存在しているのです。

厨房の設計はお店全体の回転率を左右する

次に大切なのが、店内内装です。特に厨房の内装はお客様の回転率や従業員の作業効率、客単価などに大きく影響を及ぼします。

厨房と客席フロアの比率

厨房面積の割合を広くとれば料理の提供時間は短縮され、幅広い商品の提供が可能になりますが、客席フロア面積の割合が低いため一度に限られたお客様しか来店することができず、回転率が悪くなります。また、逆に厨房面積に対して客席フロア面積を広くとりすぎると、一度にたくさんのお客様が店内に入れますが料理提供に時間がかかってしまいこちらも回転率の低下を招きます。厨房面積とフロアの面積のバランスは大切です。

厨房内部の使い勝手

飲食店でもっとも大切なものは、もちろん“料理”です。飲食店の要である料理を作る厨房内部は使い勝手がよく、動きやすい導線を確保できるよう心掛けながら設計してください。和食・洋食・中華などどんな料理を扱うか、何人で使うのかによっても厨房の配置はかなり異なります。事前に知り合いの同系列の業態のお店の厨房を見学させていただくなどしておくといいでしょう。

ホールスタッフとの連携も考慮して

厨房で作られた料理はデシャップを通してフロアへと運ばれます。無理なく安全に受け取ることができる、料理のお皿が適度な数乗せることができるデシャップの設計や、フロアスタッフが業務をする上でストレスにならない導線を確保するようにしましょう。また、下げてきた食器が洗いやすいようすぐそばに洗い場や食洗器を置いたといった工夫も怠らないようにしましょう。料理提供時間は厨房で料理を作る時間以外に、フロアスタッフの作業スピードも大切な要因です。全てが効率よく、素早く作業を行えるようにしましょう。

開店前&定期的にオペレーションを行う

そして最後に大切なことが「本番前のオペレーション」を必ず行うことです。本番オペレーションとは、お店の開店から閉店までを仮想のお客様を迎えて練習するというものです。ロールプレイングとも呼ばれます。紆余曲折を経ていろいろな準備が整い、いざ開店!という前に一度は必ず本番前のオペレーションを行うようにしましょう。完璧に用意したつもりでも思わぬ問題点が見つかることがあります。それでは、厨房とフロアそれぞれのオペレーション時のポイントをご説明します。

厨房オペレーションのポイント

・料理を作るスピード

飲食店では料理を作るスピードもお客様の回転率や満足度に関わる重要なポイントです。料理を作るスピードはお客様をお待たせしない時間かどうか、また厨房での動きや使い勝手の改善で調理時間の短縮を図れるかなど、調理オペレーションを追及します。

・料理の品質

調理にかける時間は短時間がいいに越したことはありませんが、いくら早くできたとしても料理の品質が低下してしまってはいけません。品質とスピードの両方のバランスは偏りなくとれているか、随時確認します。

フロアオペレーションのポイント

・お客様目線でのオペレーション

ホールフロアの主役はホールスタッフではなくお客様です。お客様の目線に立ってみて不備はないか、改善点はないかどうか確認します。

・スピードや作業効率

お客様を待たせるということが無いよう、あらゆるサービスが最短の時間で行えるようなオペレーションを心掛けましょう。ホールフロアのオペレーションは、カスタマーファーストとなるサービスを第一に考えて行います。

まとめ

飲食店で独立するためには、さまざまな事前準備や手続きを行う必要があります。業態の決定から物件の選定、内装、厨房の配置、メニューの考案、価格の設定、広告、スタッフの養成など、挙げればきりがありません。さらに、それらの決め事は確固たるコンセプトや市場調査に基づいて慎重かつ丁寧に進めていく必要があり、決して簡単なことではありません。

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